学年誌付録小説リスト


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■はじめに

 

 各学年ごとに対象年齢を絞って発行される学習雑誌は戦前から存在したが、戦後中心となったのは小学館と学習研究社である。

 小学館は戦時下に二誌に統廃合されていた学年別雑誌を敗戦直後より順次創刊しなおし、昭和23年(1948)には「幼稚園」「小学一年生」から「小学六年生」までの七誌が出そろった。また学習研究社は昭和22年(1947)に「幼稚園ブック」「小学一年の学習」から「小学六年の学習」を創刊した。小学館にはこれに加えて、さらに高学年向けの「中学生の友」「女学生の友」があった。小学館の学年別雑誌は、学習ページもあるものの、どちらかというと読み物に重点が置かれているのに比べ、学習研究社のそれはより学習のためのページや記事が中心となっていた。これに広島図書株式会社の「ぎんのすず」シリーズ、集英社の「よいこ」シリーズなどが続き、さらに昭和30年代に講談社の「たのしい幼稚園」~「たのしい六年生」が新たに加わることになる。

 一方、中学生向けの学習誌も学年別になっていく。まず昭和24年から続く旺文社の「中学時代」が、昭和31年(1956)11月に「中学時代三年生」に誌名変更。同時に「中学時代一年生」「中学時代二年生」が創刊される。翌年、昭和32年(1957)4月には、小学館の「中学生の友」が「中学生の友1年」に誌名変更し、「中学生の友2年」「中学生の友3年」が刊行を開始する。この二誌の誌名変更過程の違いは、両誌の性格の違いを表している。読み物中心だった「中学生の友」は低学年向けになり、当初から進学雑誌だった「中学時代」は三年生向けになった。また同時期に学習研究社からは「中学一年コース」「中学二年コース」が創刊されている。さらに1960年代になると、高校生向けの学習誌も学年ごとに刊行されるようになった。

 こうした中学生向け学年誌が増えている中で、もっとも古くから刊行されていた「中学生の友」は1963年で休刊し、「ボーイズライフ」として生まれ変わる。一方、同じ小学館の「女学生の友」は、学習雑誌というより少女向けの読み物雑誌であったためか、1970年代後半まで存続し、この雑誌からジュニア小説というジャンルが生まれていった。

 これら中学向け学年誌には、学年別に分かれた当初より、毎月のようにA6判(文庫サイズ)の小説の付録冊子がついていた。その中には児童文学や世界文学も含まれていたものの、多くが翻訳のミステリやSF、それも大人向けの作品のリライトであった。60年代後半になると国内作家によるオリジナル作品が増え、ユーモア小説や恋愛をテーマとした作品もあらわれてくるが、あいかわらずホームズやルパンなど、ミステリ作品の人気は高かった。しかし1970年代に入ると、テレビをはじめとした芸能ニュースやアイドル情報が中心になり、70年代後半には小説の付録冊子はほとんど見られなくなる。

 この毎月のように学年誌に付録小説がついていた時期、すなわち昭和30年から40年代(1955~1974)には、中流家庭の就学児童・生徒の多くが、いずれかの学習雑誌を定期購読していた。したがって、これら学年誌の付録によってはじめて海外のミステリやSFに接した者も少なくないと思われる。その中には、これが初訳であったり、他に翻訳の見当たらない作品もある。ミステリやSFの輸入史を語るのに避けて通れない一面である。にもかかわらず、これまでまとまった資料が存在しなかった。

 今回、不明点が多い状態でこのリストを発表するのも、そうした現状をわずかでも改善したいと考えたからだ。もしリストの間違いや新たな情報をご存じの方がいらっしゃれば、ご教示いただければ幸いである。

(文章変更 2018.02.25)

 ネットに公開してから、多くのかたより、貴重な情報を提供していだだきました。この場をかりてお礼申し上げます。データの追加にあわせて、間違いの修正、および一部表記の変更を行いました。(追記/2016.04.16)

 また、各雑誌の創刊年月や誌名変遷について、佐山氏のご指摘により訂正・追加しました。あらためてお礼申し上げます。(追記/2018.02.25)

(最終更新日 2022.06.25)

 


■本誌雑誌別リスト 凡例

 

■海外作家索引 凡例

 

作家名  作家名原綴り  作家情報  ★作家備考

 

■国内作家索引 凡例

 

 作家名  (作家名よみ) ★作家備考

  ●翻訳/リライト

 

■挿絵画家索引 凡例

 

   画家名  (画家名よみ) ★画家備考

 


 このリストを作成にあたり、主に下記の施設・著作・サイトの資料やデータを参照しました。また奈良泰明氏、白石秀一氏、喜国雅彦氏、戸田和光氏、おーかわ氏、日下三蔵氏、廣島保生氏、伊藤民雄氏、佐山氏、JSHC東京例会様、風々子様、すぺくり古本舎様、書肆盛林堂様、幻影文庫様より貴重なデータをご教示頂きました。このほかにも多くのサイトを利用しております。ありがとうございます。

 


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